【SHIROBAKO】後工程を考えて仕事するということ

この記事は、「#日めくりLayerX」と題して発信するブログリレーの2025年7月29日の記事として投稿しています。7月はAI・LLM事業部(Ai Workforce)の集中月間です!「私の◯◯愛を語る」というテーマに沿ってお送りします。
こんにちは。LayerX AI・LLM事業部のさいぺです。
突然ですが、皆さんはSHIROBAKOというアニメをご存知でしょうか。 毎クール20〜30本のアニメを見る生活を15年くらいしてきて、1000本以上アニメを見てきましたが、その中で最も好きな作品です。 全24話ですが、たぶん20周くらいしてます。劇場版も複数回足を運びました。 各種配信サイトで見れると思うので、未視聴の方はぜひ一度視聴してから続きをお読みください。
念のため説明すると、SHIROBAKOは2014年秋〜2015年春にかけて放送されたアニメで、アニメーション制作を題材としたアニメです。 アニメを作っているスタッフ陣が作る作品だけあって、現場の解像度が凄まじく高いですし、個人的には作品の至るところで「なぜその仕事をするのか」という問いかけが投げかけられ、その人その人の人生を感じられるところがとても好きです。
今回はその中でも、第7話「ネコでリテイク」と第8話「責めてるんじゃないからね」の話をするので、まずは8話まで視聴してきてください。
もしかしたら、まだ視聴されていない方もいるかもしれないので、簡単にあらすじを紹介すると、第7話と第8話では、原画担当の安原絵麻が大きな壁に直面するエピソードが展開されます。
絵麻は自らが経験したことがない猫の原画に挑戦しますが、描いたことがない猫、描いても描いても猫的ななにかにしかなりません。
後工程には作監、演出のチェックが控えていて、締切まで時間もありません。なんとか原画を提出しますが、作監の瀬川さんから全没のリテイクが出されます。
「今からこんな飛ばし方をするようでは困ると伝えてください」。
読んでいるだけで胃がきゅっとなるようなメールが届きます。
制作進行の宮森が、作監の瀬川さんの家を訪れ、絵麻の話になると、瀬川さんは「うまく伝わっているといいんだけど」と前置きして、次のようなことを言います。
きっともう少ししたら安原さんも普通にできるようになることなんだよ。自分の後の工程のことを考えて描くなんてことは。でも今はまだわからない。わからないからできない。ちょっとの違いなんだけどね
これめちゃくちゃ刺さりますよね〜〜〜〜〜〜〜
絵馬の描いた原画は、作監、演出のチェックを経て、原画と原画の間を間を埋める動画に回されます。つまり、原画がしっかりしていないと、動画の担当者は正しく動画を描くことができません。だから瀬川さんは「全部の線がなんとなくで、とりあえずなの。つまり、動画がものすごく拾いにくい線だってこと」と指摘していたのです。
自分の仕事を省みて
SHIROBAKOの放映当時、私はまだ学生でした。この瀬川さんの言葉も当時はしっくり来ていなかった気がします。でも今はすごく刺さります。
一人で業務が完結することなんてなくて、自分の仕事は後工程に繋がっています。
最初は自分の仕事に手いっぱいなものですが、気づいたら自分の前後の業務にも目がいくようになっていると思います。自分の書いたコードを誰がレビュー・QAしてデリバリーされていくのか、自分が作ったプレゼン資料をお客さまに送付したらお客さまの社内でどう展開されていくのか。そういうところに想像がいくようになった頃に、仕事がスムーズにまわるようになっていた気がします。
そして個人的に大事にしているのが、小さいお願いにも、後工程があることです。 月次のセキュリティ研修、出欠アンケート、月次の工数入力など、全社員が対応しないと次のステップに進めない業務があります。依頼された側としては、メインの業務が忙しくて、ついつい後回しにしちゃいがちなのですが、依頼した人は心苦しく思いながらリマインドしてるんだろうなぁと想像して、すぐやるようにしています。すぐやることで勝ち取れる信頼もあると思います。
SHIROBAKOは、学生の頃、新人の頃、仕事に慣れてきた頃、マネージャーになった頃とその時々で、違った視点をもらえる作品です。
ぜひ見てください!(三度目のリマインド)