2025年振り返り

2025年の振り返りとしてやったことをまとめる。

論文

LayerX Bet AI Dayで積んでる論文をサクサク消化する技術という発表をした。発表時代が夏だったこともあり、やり方にも変化があった。具体的にはDifyでの要約はほぼ読まなくなり、NotebookLMでpodcastを生成し、移動中にスクリーニングスクリーニングして高評価(概ね4以上)は要約ではなく、全文読むようになった。

Notion上で読んだ論文のステータス管理と内容メモを残しているが、190本が「済」となった。
前年比+179本 from 11本。ただし昨年は11月頃から開始のため、通年での記録は今年が初。

podcastによるスクリーニング時に5段階で精読するか(4以上は精読する)を判断しているが、スコアの分布は以下のようになった。今年の後半はエージェントメモリの論文を手当たり次第NotebookLMに放り込んでいたが、品質よりもスピード重視でarxivに公開されることも多く、8割程度が評価「2」以下であった。こういった論文を効率的にスクリーニングできている点は良い。

評価「4」とした論文

評価「5」とした論文

エージェントメモリに興味があったのが浮き彫りになっている。同時にBigQueryの原論文とも呼ぶべきDremelを読んだ。新しい論文ばかりではなく、歴史上も重要な論文を少しずつ精読していこうと思う。

書籍

  • 書籍: 28 冊(前年比+13冊 from 15冊)
  • 漫画: 88 冊(前年記録なし)
  • ライトノベル: 6 冊(前年記録なし)

特に読んで良かった本

技術書

ビジネス書

  • トヨタ物語 (強さとは「自分で考え、動く現場」を育てることだ)(野地秩嘉/日経BP
  • 2030 半導体地政学(増補版) 戦略物資を支配するのは誰か(太田泰彦/日経BP
  • ユニクロ(杉本 貴司/日経BP
  • WHITE SPACE ホワイトスペース: 仕事も人生もうまくいく空白時間術(ジュリエット・ファント/東洋経済新報社
  • エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする(グレッグ・マキューン/かんき出版)
  • サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術(堀埜 一成/ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • リーダーシップの本質: 真のリーダーシップとは何か(堀 紘一/ダイヤモンド社
  • 都市計画の世界史(日端 康雄/講談社
  • AI覇権 4つの戦場(ポール・シャーレ/早川書房
  • 世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方(ドネラ・H・メドウズ,Donella H. Meadows/英治出版
  • これからの「正義」の話をしよう(マイケル・サンデル,Michael J. Sandel/早川書房
  • 魚の教養見るだけノート(宝島社)
  • 影響力の武器[新版]:人を動かす七つの原理(ロバート・B・チャルディーニ/誠信書房
  • 新版 思考の整理学(外山 滋比古/筑摩書房
  • お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力・・・・・・はこう「動いた」(大村 大次郎/KADOKAWA
  • 戦略読書 〔増補版〕(三谷 宏治/日本経済新聞出版)
  • タリバン(田中 宇/光文社)

小説

記事

記事そのものではないが、7月にPocketがサービス終了してしまったのが困った。記事の読み上げ機能はないが、以下の点でInstapaperに移行した。

  • PCブラウザからショートカットでsaveできる
  • iOSアプリがある
  • iOSアプリ上で、お気に入りができる(以下の読んでよかった記事を整理するため)
  • iOSアプリ上からブラウザを開いたり、アーカイブの動作が自分の好みに合っている

以下は今年読んでよかった記事。 こうして眺めてみるとAnthoropicのテックブログは打率が高い。ここではSkillsの記事を載せなかったが、claude codeを泥臭く開発する過程で得られた知見を惜しげもなくブログとして公開し、LLM、とりわけエージェントの技術トレンドを生み出すパワーが凄まじい。

Python

フロント

エージェント・RAG・Context Engineering

LLM要素技術

LLMアプリケーション・運用

その他

Github

(819→404)、-415となった。

【SHIROBAKO】後工程を考えて仕事するということ

この記事は、「#日めくりLayerX」と題して発信するブログリレーの2025年7月29日の記事として投稿しています。7月はAI・LLM事業部(Ai Workforce)の集中月間です!「私の◯◯愛を語る」というテーマに沿ってお送りします。

こんにちは。LayerX AI・LLM事業部のさいぺです。

突然ですが、皆さんはSHIROBAKOというアニメをご存知でしょうか。 毎クール20〜30本のアニメを見る生活を15年くらいしてきて、1000本以上アニメを見てきましたが、その中で最も好きな作品です。 全24話ですが、たぶん20周くらいしてます。劇場版も複数回足を運びました。 各種配信サイトで見れると思うので、未視聴の方はぜひ一度視聴してから続きをお読みください。

念のため説明すると、SHIROBAKOは2014年秋〜2015年春にかけて放送されたアニメで、アニメーション制作を題材としたアニメです。 アニメを作っているスタッフ陣が作る作品だけあって、現場の解像度が凄まじく高いですし、個人的には作品の至るところで「なぜその仕事をするのか」という問いかけが投げかけられ、その人その人の人生を感じられるところがとても好きです。

今回はその中でも、第7話「ネコでリテイク」と第8話「責めてるんじゃないからね」の話をするので、まずは8話まで視聴してきてください。

もしかしたら、まだ視聴されていない方もいるかもしれないので、簡単にあらすじを紹介すると、第7話と第8話では、原画担当の安原絵麻が大きな壁に直面するエピソードが展開されます。

絵麻は自らが経験したことがない猫の原画に挑戦しますが、描いたことがない猫、描いても描いても猫的ななにかにしかなりません。

後工程には作監、演出のチェックが控えていて、締切まで時間もありません。なんとか原画を提出しますが、作監の瀬川さんから全没のリテイクが出されます。

「今からこんな飛ばし方をするようでは困ると伝えてください」。

読んでいるだけで胃がきゅっとなるようなメールが届きます。

制作進行の宮森が、作監の瀬川さんの家を訪れ、絵麻の話になると、瀬川さんは「うまく伝わっているといいんだけど」と前置きして、次のようなことを言います。

きっともう少ししたら安原さんも普通にできるようになることなんだよ。自分の後の工程のことを考えて描くなんてことは。でも今はまだわからない。わからないからできない。ちょっとの違いなんだけどね

これめちゃくちゃ刺さりますよね〜〜〜〜〜〜〜

絵馬の描いた原画は、作監、演出のチェックを経て、原画と原画の間を間を埋める動画に回されます。つまり、原画がしっかりしていないと、動画の担当者は正しく動画を描くことができません。だから瀬川さんは「全部の線がなんとなくで、とりあえずなの。つまり、動画がものすごく拾いにくい線だってこと」と指摘していたのです。

自分の仕事を省みて

SHIROBAKOの放映当時、私はまだ学生でした。この瀬川さんの言葉も当時はしっくり来ていなかった気がします。でも今はすごく刺さります。

一人で業務が完結することなんてなくて、自分の仕事は後工程に繋がっています。

最初は自分の仕事に手いっぱいなものですが、気づいたら自分の前後の業務にも目がいくようになっていると思います。自分の書いたコードを誰がレビュー・QAしてデリバリーされていくのか、自分が作ったプレゼン資料をお客さまに送付したらお客さまの社内でどう展開されていくのか。そういうところに想像がいくようになった頃に、仕事がスムーズにまわるようになっていた気がします。

そして個人的に大事にしているのが、小さいお願いにも、後工程があることです。 月次のセキュリティ研修、出欠アンケート、月次の工数入力など、全社員が対応しないと次のステップに進めない業務があります。依頼された側としては、メインの業務が忙しくて、ついつい後回しにしちゃいがちなのですが、依頼した人は心苦しく思いながらリマインドしてるんだろうなぁと想像して、すぐやるようにしています。すぐやることで勝ち取れる信頼もあると思います。

SHIROBAKOは、学生の頃、新人の頃、仕事に慣れてきた頃、マネージャーになった頃とその時々で、違った視点をもらえる作品です。

ぜひ見てください!(三度目のリマインド)

2024年振り返り

2024年の振り返りとしてやったことをまとめる。
目標管理、Scrapboxは計測をやめた。

論文

scholar-inboxとXで流れてきた論文を、ChatGPTで要約したもの+本文のFigureを読むようになった。
Notionで管理するようにしたが11本が「済」となった。

書籍

  • 書籍: 15 冊(前年比-27冊 from 42冊)

漫画を読む時間を取れないまま一年が過ぎた。その他の本は毎朝10分の読書時間でコツコツと読んだ。 特に読んで良かった本は、HARD THINGS。

技術書

ビジネス書

  • サイゼリヤの法則 なぜ「自分中心」をやめると、ビジネスも人生もうまくいくのか?(正垣 泰彦/KADOKAWA
  • 独創はひらめかない: 「素人発想、玄人実行」の法則(金出 武雄/日経BPマーケティング
  • ブリッツスケーリング(リード・ホフマン,クリス・イェ/日経BP
  • リーン・スタートアップ(エリック・リース/日経BP
  • THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティングインサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス(福田 康隆/翔泳社
  • HARD THINGS(ベン・ホロウィッツ/日経BP

小説

記事

以下は今年読んでよかった記事。
業務上の都合で、Python/フロント(特にReact)に触れることが多く、その分野の記事を読んでいたが、本分野はRustなどに比べて良質な記事に当たる率が低いため、LLMに聞くことが多かった。
LLM/RAGは、会社のNewsletterでも配信されているもの+自分で見つけてきたもの(XやRSS)を結構な数読んだが、そのうち、良質なものを挙げた。
特によかったものだと、「What We Learned from a Year of Building with LLMs」は現場で手を動かした人の知見が凝縮されており、共感と学びの両面でとても良い記事だった。
また、プロンプトの書き方ではAnthropicの「Claude 3 Technical Dive」がよかった。Anthropicの記事は良質なものが多く、どれも一読の価値があるので、RSSに登録している。

Python

フロント

LLM

RAG

その他

Github

昨年の振り返り記事ではprivate contributionが含められていなかったが、今年は含めた。含めた上で(668→819)、+151となった。

2023年振り返り

2023年の振り返りとしてやったことをまとめる。

目標管理

例年通り、四半期ごとの見直し、月次の進捗確認で運用をした。 1,4,7,10月に目標の見直しを行い次四半期の目標を立て、2,3,5,6,8,9,11,12月は進捗を確認する運用。ただし今年は目標管理のモチベーションが低く、あまり見直しはしなかった。新しい目標を達成するというよりは、淡々と、コツコツと積み上げた形になった。昨年秋に始めた朝読書を一日も欠かさなかったし、完全に習慣化した。

論文

1月

4月

ざっと読み、抜粋読み

1月

4月

5月

6月

読む本数が少なすぎるが、朝読書と違って習慣化していないのがよくない。週末は趣味の活動もあるのでうまくバランスを取りながら、数分でもいいのでコツコツと読む習慣を作るのが来年のアクション。

書籍

  • 漫画を含めた書籍: 42 冊(前年比+13冊 from 29冊)

特に読んで良かった本はデータ指向アプリケーションデザイン、考える技術・書く技術、イシューからはじめよ、ナチスは「良いこと」もしたのか? 特に『ナチスは「良いこと」もしたのか?』については、歴史研究における事実/解釈/意見の三層構造に関する考え方が述べられるまえがきでもいいので、必読であった。

技術書

ビジネス書・趣味

記事

昨年に引き続き、英語記事に目を通すようになった。readingスキルの伸びを感じるが、まだ読むのが遅いし、疲れていると英文が頭に入ってこない。 以下は今年読んでよかった記事。

Github

昨年の17 contributionsに対して、+57となった。

Scrapbox

  • 16111764 pages

2022年振り返り

2022年の振り返りとしてやったことをまとめる。

目標管理

例年通り、四半期ごとの見直し、月次の進捗確認で運用をした。 1,4,7,10月に目標の見直しを行い次四半期の目標を立て、2,3,5,6,8,9,11,12月は進捗を確認する運用。

大項目として以下4つを設け、それぞれ中項目の目標を立てた。中項目をさらに細分化して、四半期ごとに小項目での目標管理をした。括弧内は中項目のうち、達成できた数を記載。

  • 読書(2/3)
  • 健康(1/2)
  • 英語(1/1)
  • 趣味(2/5)

論文

1月

  • Amin, K., Dick, T., Kulesza, A., Medina, A. M., & Vassilvitskii, S. (2019). Differentially private covariance estimation. Advances in Neural Information Processing Systems, 32(NeurIPS).

  • Stadler, T., Oprisanu, B., & Troncoso, C. (2020). Synthetic Data -- Anonymisation Groundhog Day.

  • Rogers, R., Subramaniam, S., Peng, S., Durfee, D., Lee, S., Kancha, S. K., Sahay, S., & Ahammad, P. (2020). LinkedIn’s Audience Engagements API: A Privacy Preserving Data Analytics System at Scale. http://arxiv.org/abs/2002.05839

2月

  • Cao, Yang and Yoshikawa, Masatoshi and Xiao, Yonghui and Xiong, Li, Quantifying differential privacy under temporal correlations, Data Engineering (ICDE), 2017 IEEE 33rd International Conference on, 821--832, 2017.

3月

  • Kareem Amin, Jennifer Gillenwater, Matthew Joseph, Alex Kulesza, Sergei Vassilvitskii. "Plume: Differential Privacy at Scale" arXiv preprint arXiv:2201.11603 (2022).

4月

5月

6月

  • Adam, Nabil R., and John C. Worthmann. "Security-control methods for statistical databases: a comparative study." ACM Computing Surveys (CSUR) 21.4 (1989): 515-556. https://dl.acm.org/doi/pdf/10.1145/76894.76895

  • Rowe, Neil C. "Diophantine inferences from statistical aggregates on few-valued attributes." 1984 IEEE First International Conference on Data Engineering. IEEE, 1984.

7月

9月 - Kifer, Daniel, and Ashwin Machanavajjhala. "No free lunch in data privacy." Proceedings of the 2011 ACM SIGMOD International Conference on Management of data. 2011. https://www.cse.psu.edu/~duk17/papers/nflprivacy.pdf

12月 - El Emam, Khaled, et al. "A systematic review of re-identification attacks on health data." PloS one 6.12 (2011): e28071. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0028071

ざっと読み、抜粋読み

1月

  • Desfontaines, D., Voss, J., Gipson, B., & Mandayam, C. (2022). Differentially private partition selection. Proceedings on Privacy Enhancing Technologies, 2022(1), 339–352. https://doi.org/10.2478/popets-2022-0017

3月

  • Asi, Hilal, John Duchi, and Omid Javidbakht. "Element level differential privacy: The right granularity of privacy." arXiv preprint arXiv:1912.04042 (2019).

4月

5月

6月

7月

書籍

  • 漫画を含めた書籍: 29 冊(前年比-34冊※)

※今年から雑誌は含めないことにした

技術書

  • なし

ビジネス書・趣味

記事

昨年に引き続き、あまり記事を読んでいない。ただし、英語記事に目を通すようになった。 以下は今年読んでよかった記事。

Github

昨年の1,249 contributionsに対して、-1,231となった。
Githubで管理していないコードやクエリを書く機会が多かったため。

Scrapbox

  • 13761611 pages

dbtを使い始めて数ヶ月が経った雑感

この記事は dbt Advent Calendar 2022 の25日目の記事です。dbtを使い始めて数ヶ月ほど経過したので、これまでの所感を書きます。

はじめに

dbt (data build tool) はデータ処理変換を担うフレームワークです[1]。データエンジニアリングにおいて重要なデータ分析の品質保証をデータモデルの構築、テスト、ドキュメンテーションをいった要素で実現します。とりわけDWHに統合して使われることが意図されており、ETLにおけるTransferの役割を実現してくれます。

Coalece2022の[3]のセッションでも語られていますが、この25年間、ストレージコストが低下したことや、よりデータへのアクセスが容易になったなったことで、足元ではすべての変換を一つのDWHで行うETLからELTへといった流れも出てきました。この流れによって、よりdbtが真価を発揮しやすい環境が整ってきたと言えると思います。

チームでデータ分析

個人的に感じているdbtの本質的な価値はデータ分析のプロセスの管理と効率化です。

特に現代データ分析においてはデータエンジニア一人で分析業務を担い切ることは少なく、チーム・組織として分析を高度化し、顧客により大きな価値を届けられるようなデータ分析プロセスの実現とその管理が求められます。

私が従事している業務でも、構造が同一のクエリを何度も何度も手書きし、それを都度レビューするといったプロセスに課題を感じてしました(何度同じクエリを書くのかといった開発者視点での課題であったり、ほぼ同じクエリだからという心理状態によるレビュー品質の低下といったレビュワー・チーム視点での課題など)。

SQLをチームで書いた経験のある方ならわかると思いますが、クエリのコードレビューには大きな集中力を要します。CTEに分解しながら手元で小さなダミーデータを用意したりしながら実行し、クエリ全体としても問題ないということを考えるレビューは大きな労力です。

弱い心を前に浅いレビューで通してしまったりすることもあり、それが積み重なると属人的なクエリのできあがりです。さらに大きなクエリは依存関係も複雑になりがちで、どの中間テーブルを使うのか、その中間テーブルの品質がどれくらい保証されているのかといった課題が発生しがち(「この中間テーブルって最新ですか?」とテーブル作成者にヒアリングして回ったり)で、結果として品質の低いデータ分析結果を顧客に届けることになりかねません。データやファクトに基づく意思決定を誤った方向に導き、ビジネス上の損失や信頼を毀損する結果にも繋がりえます。

ここまでの話を整理すると、以下3つに課題を感じていました。

  • 依存関係が複雑化し、認知的負荷が大きい
  • 中間テーブルの各カラムが満たすべき制約がわからず、設計が見えない
  • 同じようなクエリを都度レビューしなくてはいけない

dbtでの解決

依存関係が複雑化し、認知的負荷が大きい

この課題については、シンプルに dbt docs コマンドで可視化してくれることが、依存関係の把握を助けてくれます。Coalece2022の[4]のセッションではモデリングパターンを以下4つに分類し、これをリファクタリングするワークショップの様子が届けられていますが、可視化されるとどのパターンに分類されるのかがひと目で分かるので、改善へのステップがエスカレーターになっていることにもdbtというプロダクトの強さを感じます。

  • ソースから直接データをjoinしている
  • 同じデータセットから何度もjoinしている
  • 依存の依存をjoinしている
  • 成果物にソースを使っている

([4]の発表中より引用)

中間テーブルの各カラムが満たすべき制約がわからず、設計が見えない

テストが書けることで各カラムにどういった制約が見えるようになります。
uniquenot_nullaccepted_valuesrelationships (そのカラムが他テーブルに存在するreferential integrityの担保)といったテストが標準 [5]で用意されていますし、これら標準機能で手が届かないようなテストもdbt-utils [6]に解決策が用意されています(複数カラムを跨ったuniquenessを保証したいときに unique_combination_of_columns などをよく利用します)。これらも実態としてはJinjaマクロなので、さらに物足りないときは自作でき十分な柔軟性を備えていると思います。

そして[2] は、data profilingやdata contract、data pipelinesの文脈での話にはなりますが、データ品質問題に対するアプローチとして以下の流れを提案しています。

  1. 品質の低いデータを特定する(異常値など)
  2. 許容する値を規定する
  3. データパイプライン上で、顧客に届く前に、エラーを補足する

dbtのテストはこの2.と3.に対しての保証と見ることもできるでしょう。

個人的にはこれに加えてテストを見れば各カラムにどのような制約が掛かっているのか(どういう設計なのか)が理解しやすく、テスト自体がドキュメンテーションになる点も気に入っています。

同じようなクエリを都度レビューしなくてはいけない

dbtのデータ変換はSQLとJinjaを組み合わせて実現されています[7]。Jinja[8]はPython-likeなシンタックスを持つテンプレートエンジンです。dbtで利用できるマクロもJinjaを使って生成できるため、複雑なクエリを汎用化し、再利用性を得ることができます。これによって算術演算が多い等の低レベルのクエリや注意深いレビューが必要なクエリなどを一度十分なレビューをすることで品質を保ったまま再利用可能なクエリを生成することができます。

このJinjaマクロを使った方法で一定の解決をみているものの、マクロのメンテナンスコストも無視できないものだと感じています。モデリングによる解決とマクロでの解決の両軸をどのようにバランスさせていくかは個人的にも興味が向いている点です。「同じようなクエリを都度レビューしなくてはいけない」という課題で対象としているクエリを分解すると「ロジックが共通であるクエリ」と「低レベルのクエリ」があるように感じているので、前者はモデリング+マクロによる解決、後者はdbt Core v1.3で導入されたPython models [9] による解決が望ましいのではとも思え、このあたりは考えを深めていきたい論点になります(まだ視聴できていないのですが、Coalece2022でのなぜPython第二言語としたのかについてのセッション[10]で話されていたりしないかも気になっています)。

最後に

簡単ではありますが、dbtを使い始めて数ヶ月の雑感でした。まだまだ知らないことだらけではありますが、使い始める前に感じていた課題が解消されていてdbtの恩恵を感じています。何より複雑なSQLを書いていたときに比べて、構造化ができている点、しっかりと管理でき品質保証されている点に安心感を持って開発を進めることができています。dbt Advent Calendar 2022 を拝見していても、初めて知ることも多かったり、エコシステム自体が大きく成長しようとしている兆しも感じるところで、2023年もどのように変わっていくのか非常に楽しみな技術です。

References

2021年振り返り

2021年の振り返りとしてやったことをまとめる。

目標管理

昨年に引き続き、四半期ごとの見直し、月次の進捗確認で運用をした。 1,4,7,10月に目標の見直しを行い次四半期の目標を立て、2,3,5,6,8,9,11,12月は進捗を確認する運用。

大項目として以下5つを設け、四半期ごとに小項目での目標管理をした。括弧内は小項目のうち、達成できた数を記載(次四半期で取り返せたものは達成扱い)。

  • 技術(4/12)
  • 読書(10/17)
  • 健康(6/8)
  • 英語(5/7)
  • 趣味(5/11)
  • 資産運用(2/5)

全体として53%の達成率だった。昨年の 65% に対して大きく減ってしまった。
毎月の目標見直しで「またこの目標に着手できなかった」となることが多く、目標管理自体のモチベが大きく下がる要因となっていたし、精神的な重荷にもなっていた。

来年は以下を意識する。

  • 目標の取捨選択
  • 目標への取り組みを行う時間を何処で取るのかまで含めて計画

論文

日本語の論文や金融機関のレポート、決算資料も読んでいるが、ここでは含めない。

  • Christodorescu, Mihai, et al. "Towards a Two-Tier Hierarchical Infrastructure: An Offline Payment System for Central Bank Digital Currencies." arXiv preprint arXiv:2012.08003 (2020).
  • Han, Shujie, et al. "An In-Depth Study of Correlated Failures in Production SSD-Based Data Centers." 19th {USENIX} Conference on File and Storage Technologies ({FAST} 21). 2021.
  • Bahmani, Raad, et al. "{CURE}: A Security Architecture with CUstomizable and Resilient Enclaves." 30th {USENIX} Security Symposium ({USENIX} Security 21). 2021.
  • Vasily A. Sartakov, et al. "Spons & Shields: practical isolation for trusted execution" The 17th ACM SIGPLAN/SIGOPS International Conference on Virtual Execution Environments. 2021.
  • van Schaik, Stephan, et al. "CacheOut: Leaking data on Intel CPUs via cache evictions." 2021 IEEE Symposium on Security and Privacy (SP). IEEE, 2021.
  • Alexander Sprogø Banks, "Remote Attestation: A Literature Review", 2021.
  • Purnal, Antoon, et al. "Systematic analysis of randomization-based protected cache architectures." 42th IEEE Symposium on Security and Privacy. Vol. 5. 2021.
  • Lefeuvre, Hugo, et al. "FlexOS: making OS isolation flexible." Proceedings of the Workshop on Hot Topics in Operating Systems. 2021.
  • Nider, Joel, and Alexandra Fedorova. "The last CPU." Proceedings of the Workshop on Hot Topics in Operating Systems. 2021.
  • Lillian Tsai, et al. "Privacy Heroes Need Data Disguises" Proceedings of the Workshop on Hot Topics in Operating Systems. 2021.
  • Feng, Erhu, et al. "Scalable Memory Protection in the PENGLAI Enclave." 15th {USENIX} Symposium on Operating Systems Design and Implementation ({OSDI} 21). 2021.
  • Kumar, Sam, David E. Culler, and Raluca Ada Popa. "{MAGE}: Nearly Zero-Cost Virtual Memory for Secure Computation." 15th {USENIX} Symposium on Operating Systems Design and Implementation ({OSDI} 21). 2021.
  • Farke, Florian M., et al. "Are Privacy Dashboards Good for End Users? Evaluating User Perceptions and Reactions to Google's My Activity." 30th USENIX Security Symposium (USENIX Security 21). 2021.
  • Julie Haney, et al. "\"It's the Company, the Government, You and I\": User Perceptions of Responsibility for Smart Home Privacy and Security", 30th USENIX Security Symposium (USENIX Security 21). 2021.
  • Messing, Solomon, et al. "State, Bogdan; Wilkins, Arjun, 2020,” Facebook Privacy-Protected Full URLs Data Set”.", 2020.
  • Chanyaswad, Thee, et al. "Mvg mechanism: Differential privacy under matrix-valued query." Proceedings of the 2018 ACM SIGSAC Conference on Computer and Communications S, 2018.
  • Abowd, John, et al. "An Uncertainty Principle is a Price of Privacy-Preserving Microdata." Advances in Neural Information Processing Systems 34 (2021).
  • Costan, Victor, and Srinivas Devadas. "Intel sgx explained." IACR Cryptol. ePrint Arch. 2016.86 (2016): 1-118.
  • Yoon, Jinsung, Daniel Jarrett, and Mihaela Van der Schaar. "Time-series generative adversarial networks." (2019).
  • Karwa, Vishesh, and Salil Vadhan. "Finite sample differentially private confidence intervals." arXiv preprint arXiv:1711.03908 (2017).
  • Balle, Borja, et al. "Hypothesis testing interpretations and renyi differential privacy." International Conference on Artificial Intelligence and Statistics. PMLR, 2020.
  • Mironov, Ilya, Kunal Talwar, and Li Zhang. "R\'enyi Differential Privacy of the Sampled Gaussian Mechanism." arXiv preprint arXiv:1908.10530 (2019).

書籍

  • HashHub Researchレポート: 317本(前年比+6本)
  • 漫画や雑誌等を含めた書籍: 63冊(前年比-117冊)

技術書

昨年より1冊増えたが、腰を据えて読めていない感覚がある。

ビジネス書・趣味

今年の課題感として本を読む時間を生活に組み込めなかったことがある。朝読書復活させる。

記事

昨年に引き続き、あまり記事は読んでいない。

以下では、Pocketでお気に入りしたものからリスト化する。いずれも2021年12月31日時点で有効なリンクのみを対象とした。 概ね読んだ順であり、「2021年に読んでよかった記事」のため2020年以前に公開されたものを含む。体感、去年よりお気に入りにする頻度が下がった。

Github

f:id:cipepser:20211231171059p:plain

昨年の1,038 contributionsに対して、+211となった。

Scrapbox

  • 7651376 pages